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小林よしのり
2019.10.22 12:03日々の出来事

皇統の危機が心配だ

今日は即位礼正殿の儀で祝日のようだ。
おめでたいことだが、わしは皇位継承問題が気にかかる。

本当に男系固執派は、旧宮家系だがもはや一般国民として
生まれ育った、見たこともなく、いるのかいないのかも
分からない男を、しかも男系血統ならば今の天皇から
600年も離れた一般市民を、4人も唐突に皇族にすること
ができると思っているのだろうか?
「この人たち、誰?」と国民は思わないのか?

そうやって設計主義的に男系皇族を増やしたとて、側室が
ない状態では、たちまち男子の数が足りなくなって、また
民間人から男系皇族を補給しなければならなくなってしまう。
そんなことをしていて皇室の権威は保てるのか?

側室がなくなった時点で、男系やら女系やらにこだわる
伝統は無意味になった。
もはや男系は因習であり、因習は捨てなければならない。
因習にこだわったら、カルト信仰になる。

たったそれだけのことが分からない者たちは、つまり
ちょんまげを切りたくないと抵抗した武士階級と同じ
である。

皇統の危機は男系固執の者たちによって招かれている。
伝統とは何かを再考する必要がある。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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